北関東(群馬・栃木・茨城)
| 毎年1回だが、北軽井沢へキャンプに行ったときに立ち寄るのが楽しみな店だ。外見はペンションかなにかかと思わせるような白壁の建物と、小径を配した庭。しかし店内はどこかの古い屋敷を移築したような、重厚な日本建築という、一風変わった造りである。 そばは、一口で言えば黒っぽい田舎風、つまり挽きぐるみの粉を使ったもので、平打ちの手打ちそばだ。口に含むと、いかにもそば粉といった風味が広がる。量もたっぷりとしたもので、わっしと箸で手繰り、6〜7分目ほどをツユに浸しそのまま離さずに口に運ぶ、という古典的そば食の流儀が似合う。ツユは鰹出汁のきいた甘口で、そばの濃い味との相性はよい。薬味はわさび、大根おろし、ネギというオーソドックスなもの。 そばに負けず天ぷらも種類、量とも充実している。注文したのは海老天せいろ。普通の天せいろとの違いは、エビ天が1本多いこと。添えられた天ぷらはエビ2本のほか、ピーマン、インゲン、カボチャ、マイタケ、ナス、ジャガイモ、椎茸、そしてサイコロ状のイカ天。バリバリと広がった衣ではなく、うっすらと包む感じの衣なので、これだけの量でも胃にもたれるということはない。この天ぷら用に、小皿に塩が添えられているところも嬉しい。 絶対的には安くないようだが、平均的な内容の天せいろが都内で1000〜1200円程度であることを考えると、お値打ちではないかとも思える味と量である。 取材:2002年6月。(当時)天せいろ1,500円、海老天せいろ1,700円、せいろ800円、中せいろ2段もり1,000円、せいろ2段もり1,300円、とろろせいろ1,300円、天ぷらそば(温)1,500円、キノコ山菜(温)1,200円、たぬき・きつね・月見(温)各900円。それぞれうどんメニューもあり、ツルシコの麺は連れの評判も上々であったことも書き添えておく。季節営業で、期間は4〜11月。うち7月中旬〜9月末は昼と夜の開店で無休、それ以外の期間は土曜日を除き昼のみの営業で火曜定休。昼=11:30〜15:00、夜=17:30〜20:00。Tel.0279-84-3988。軽井沢方面から国道146号を北上し、スーパー「ダイマルヤ」のちょっと先、北軽井沢交差点の手前にあるセーブオンの角を左に入ったところ。
2003年7月改訂:1年ぶりに行ったら、若干メニュー構成や値段に変更あり。せいろ800円は変わらないが、中せいろ2段盛りは1200円、えび天せいろはなくなって、代わりにえびとかき揚げせいろ1700円。これはかき揚げが野草と野菜半々でボリュームはあるのだが、野菜のほうがからっとしていなくてちょっともっさり。あまりお勧めしない。天せいろのてんぷらは、エビ・カボチャ・サツマイモ・ナス・ちくわ・ピーマン・野草で、塩は添えられていなかった。全体にレベルダウンしている感じで感心しない。なお、夏期は土・日・連休以外、そばは1日100食限定と記されていた。 客が集まるようになって慢心したか?
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