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中国

八雲庵(島根県松江市)

 松江市も蕎麦屋の多い町である。八雲庵は、松江城の北、塩見繩手と呼ばれるお堀端にある、風情のあるたたずまいの店。自慢は鴨南蛮とのことなので、鴨なんそば+割り子2段の連、というのを注文。温冷食べ比べができるセットだ。
 まず出てきたのは鴨南そば。関東だと濃い目のツユに鴨の脂、というこってりしたのが普通だが、八雲庵の鴨南蛮はツユが透き通っている。この出し汁がうまい。鴨スープという感じである。肉もけちけちしてなくてよい。そば自体はやや柔らかめ。
 続いて割子。温かいそばと同様、そばのコシはそれほどでもないが、そばの味と香りは濃い細打ち麺である。写真のとおり、薬味は別のわっぱに盛られていて、好みでトッピングするスタイル。ネギ、もみじおろし、削り節、海苔の4種。ツユは鴨なんそばとはまったく別物で、こちらは辛口濃い目。「かけ汁少量でお召し上がりください」と壁にも箸袋にも書かれているが、素直に従うが無難である。出汁から出たものと思われるかすかな苦味が後味にほんのりと。この地方でたまに目にするあご(とびうお)とか使ってるのかな。
 蕎麦湯は1人前ずつ、湯呑みに入って出てくる。ツユが残った器に蕎麦湯を入れるのではなく、蕎麦湯にツユを注す、というスタイル。これはこの店独特か。
 取材:2004年2月。(当時)鴨なんそば880円、鴨なんそば+割子1段の連1,100円、鴨なんそば+割子2段の連1,320円、かきあげ割子そば1,000円、三色割子(山芋・うずら卵・大根おろし)750円、四色割子(三色+なめこ)1,000円、五色割子(四色+葉わさび)1,250円。営業時間は9:00〜16:30、元旦以外は無休。Tel.0852-22-2400。最寄りのバス停は小泉八雲記念館前。武家屋敷の隣(というと松江では通じるらしい)。店のホームページ





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