中部(静岡県を含む東海・北陸)

草季庵(静岡県御殿場市) 閉店

 国道246号線の杉名沢北交差点から入ってすぐのところにある古民家を改装した蕎麦屋。いわゆる「隠れ家」系なのだが、それにしては人気がありすぎ(笑)。開店と同時に満席で順番待ちになってしまう。この日は開店20分前に着いて3組目。
 座敷2室に2〜4人卓が点々と。キャパシティは20人ほどか。座敷は苦手なのだが、そばを食べる時間くらいは我慢できる。ちなみに、若干注文伺いから供されるまでのペースはゆっくり。店の雰囲気に合っていると言えば合っている。
 大根おろしと信州味噌で食べるというしぼりせいろというのにも惹かれたのだが、ここはセオリー通りに天ぷらせいろを注文。先にツユや薬味、次に天ぷら、そして最後にそばが運ばれてくる。
 そばは太さがまばらで若干短めなので喉越しを楽しむというタイプではないが、代わりにじわっとした弾力の強いコシが印象的。そばを食べているなぁという実感がある。甘味、香りが口や鼻孔をくすぐるのだ。ツユは醤油の輪郭がくっきりとした辛口で、この力強いそばとの相性がいい。盛りが多いとは言わないが、少ないというほどでもない。薬味は本わさびとねぎ。
 天ぷらは多彩。10p強の海老天2本のほか、レンコン、シイタケ、マイタケ、エリンギ、ピーマン、山芋、サツマイモ。天つゆ付で大根おろしが添えられる。さくっと薄い衣で油が軽く、食べ飽きない。塩が添えられれば最高だが、辛口の天ツユもうまい。
 料理はもちろんだが、ここは空間、時間を楽しみに来る蕎麦屋といえる。順番待ちの時間が長くなるのは、ゆっくりと楽しむ人が多いから、というのもあるだろう。
 取材:2013年2月。(当時)天ぷらせいろ1,600円、天ぷらおろしそば(冷がけ)1,600円、せいろ800円、辛味せいろ1,000円、つけとろせいろ1,300円、鴨せいろ1,600円、しぼりせいろ1,000円。温かいそばは、かけ800円、天ぷら1,600円、鴨南そば1,600円など。営業時間は平日が11:30〜15:00と17:00〜19:30、土日祝日が11:30〜15:00と18:00〜20:30(夜は要予約、昼は予約できない)。定休日は月曜日(祝日の場合は翌平日休)。Tel.0550‐88‐0808。静岡県御殿場市杉名沢306‐1。JR御殿場線御殿場駅から1.7qほどなので歩けなくもない。駐車場は、店の前に5台、裏(横)に10台分。お店のHP





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