神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

伊勢福 本店(横浜市南区)

 昭和10年(1935)創業と80年以上の歴史がある蕎麦屋。特に交通の便がよいわけでも繁華街に近いわけでもなく続いているのは、地元に根付いて支持されているということなのだろう。佇まいは町蕎麦屋のそれだが、打ち場が見えるのは手打ちそばを扱っているさりげない主張。蕎麦粉は石臼で自家製粉だという。店内は1階のテーブル席が4人掛け7卓、6人掛け1卓、2人掛け1卓。2階には座敷もあるようだ。
 初見の9月、まずは手打ちそば。天ぷら付き手打せいろを注文。
 そばは若干不揃いながらも角の立った細打ち。緑がかった見た目に期待が高まる。噛めば弾力があり、甘味が広がる。喉越しも上々。辛め、濃いめのツユがまたそばの甘味を引き立てる。薬味はわさびとネギ。
 天ぷらは、10p大の海老天2本にナス、栗、カボチャ。野菜天の季節感も嬉しい。天ツユは別に付き、大根おろしが添えられる。
 締めの蕎麦湯も濃く、最後までごちそうだ。
 再訪は10月。今度は温かいそばが食べたくて、小海老そばを注文。こちらは手打ちではなく機械打ちの並そば。極細でやさしい食感。ツユも甘口マイルドなもので、個人的にはもうちょっと強い味でもいいかな。そばにのるのは、小海老天5つ、きぬさや、椎茸、かまぼこ。柚子皮の香りも嬉しい。
 11月は再び冷たいそばの中からまいたけ天せいろ。舞茸はお店の自慢の一つらしい。そばは小海老そばと同様極細の並そば。コシもあって喉越しがとても良いそば。ツユを手打ちの時より甘く感じたのはそばの甘味との相関だろうか。薬味はわさびとネギ。
 近所に欲しい蕎麦屋というのは、こういうお店だと思う。ちょっと上のグレードもあるが、基本は気取りのない町そばの体。蕎麦前も充実しており、蕎麦屋酒を楽しみにもよいと思う。
 天ぷらは、大ぶりの舞茸天が3つと、しし唐。天ツユと大根おろしが付く。
 取材:2017年9〜11月。(当時)天ぷら付き手打ちせいろ1,300円、手打ちせいろ700円、まいたけ天せいろ1,100円、天もり950円、天ざる1,150円、上天ざる1,600円、野菜天ざる1,000円、かき揚げせいろ1,100円、もり550円、冷やしたぬき750円、とろろそば900円、三味そば1,200円。温かいそばは、小海老そば1,000円、天ぷらそば1,100円、かき揚げそば1,100円、かけ550円、おかめ800円、鴨南ばん1,000円。春の山菜天ぷら、冬の牡蠣など季節メニューも豊富。営業時間は11:00〜15:00と16:30〜20:00。定休日は木曜日と2022年から第3水曜日。Tel.045‐731‐2808。横浜市南区睦町2‐178‐9。横浜市営地下鉄吉野町駅から徒歩7分。駐車場は店の近くに2台分。お店のHP

2019年10月追記
 消費増税もあり、メニューが改定されていたので更新。天ぷら付き手打ちせいろ1,400円、手打ちせいろ750円、舞茸天せいろ1,200円、天もり1,000円、天ざる1,250円、上天ざる1,800円、野菜天せいろ1,100円、もり600円、冷やしたぬき780円、とろろそば1000円、三味そば1,300円。温かいそばは、小海老そば1,100円、天ぷらそば1,200円、かけ600円、おかめ850円、鴨南ばん1,100円。

2021年12月追記
 定休日を更新。お店のHPリンクを更新。






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