神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

元祖 鴨南ばん本家(藤沢市湘南台)

 メニューと一緒に綴られた由来によると、文化年間(1810年頃)に日本橋馬喰町鞍掛橋で、初代の笹屋治兵衛が鴨南ばんを考案したとある。長く東京に店を構えていたが、現在は湘南台に移り、200余年の伝統を今に伝えているとのこと。東京下町から神奈川の新興住宅地とは、すごい変わりようである。ちなみに、鴨せいろもこちらが発祥。
 構えは小ぢんまりとしており、2人掛テーブル5卓、4人掛けが3卓。
 ここはお店の由来からしても鴨南ばんを注文するのがセオリーなのだろうが、「縛り」があるので初見は天せいろで。
 そばは極細。コシが強く、クキクキとした歯触りの硬質なもので、喉越しが非常に良い。江戸の蕎麦屋の割にツユは神奈川スタンダードなマイルドタイプ。ここは辛口濃いめを期待したいところだ。薬味は本わさびとネギ。
 天ぷらは、10p強の海老天と、レンコン、カボチャ、大葉。塩や天ツユは付かない。軽い油でさっくりと揚がってる。メニューにマスキングしてあった穴子天が気になるが、季節ものだろうか。
 次の機会には、ぜひ鴨南ばんを味わいたい。
 取材:2020年3月。(当時)天せいろ1,450円、せいろ750円、本鴨せいろ1,550円、鴨せいろ(合鴨)1,100円、辛味大根せいろ1,000円、とろろせいろ1,200円、お代わりせいろ(汁なし)400円。温かいそばは、治兵衛の鴨南ばん(本鴨)1,550円、鴨南ばん(合鴨)1,100円、天ぷら(海老2本入り)1,450円、おかめ1,400円、しっぽく1,550円、玉子とじ1,000円、花まき1,000円。大盛200円。営業時間は11:00〜20:30。定休日は木曜日。Tel.0466−45−5033。藤沢市湘南台2−22−17。横浜市営地下鉄ブルーライン、小田急江ノ島線、相鉄いずみ野線湘南台駅西口から歩いて1〜2分。お店のHP

2020.04追記
 看板メニューの鴨南ばん。2種類あるうち、伝統の味を受け継いでいるという治兵衛の鴨南ばんを注文。肉は本鴨、ネギは千住葱を使っている由。合鴨よりも本鴨のほうがあっさりしているようだ。柔らかい鴨肉から染み出した出汁がツユに溶け込んで、ふんわり柚子が香るやさしい味。そばも温かいとふんわりした感じに印象が変わる。

2020.12追記
 鴨せいろ(合鴨)を食べた。柔らかい合鴨肉がたっぷり使われたツユが極細のそばとよく合う。脂ののった肉が好みなら、やはり合鴨のほうがおすすめ。





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