神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

手打そば やぶ忠(横浜市上大岡) 2007年初夏閉店

 失礼ながら、佇まいからはあまり味の期待はできなそうな、小ぢんまりとした店である。が、京急の窓から毎日のように見る「手打」の文字が気になって、以前、意を決して行ってみたところ、意外(たびたび失礼)な穴場であることがわかった。今回は都合3度目の訪問である。
 そばは、非常に薄い平打ちのそば。ひょっとしたら、大きく広げたそばを折りたたんで切るのではなく、福島県檜枝岐の裁ちそばのように、薄く延ばした生地を何枚か重ねて切るという打ち方なのかもしれない。もっとも、裁ちではないと思うが。薄いのであまりしこしことした歯ごたえはなく、逆にするりとしたのど越しが印象に残る。
 組み合わされるツユは、やや甘口。だしやしょうゆの味がでしゃばるところのない、非常にまろやかな味付けだ。
 注文したのは天ざる。10cm強のエビが2本と、ナス、カボチャ、ピーマン、そしてシメジの天ぷらが添えられしっかりとしたボリュームだ。しかし軽い油を使っているのか、もったりとしたところがなく、食べ飽きない。書き忘れたが、そばのほうも標準よりはやや多めの盛り付けである。
 一度だまされたと思って(三度失礼)暖簾をくぐってみる価値のある店である。
 取材:2002年6月。(当時)天ざる1,200円、ざる600円、せいろ530円。11:30〜21:00、水曜定休。京急、または横浜市営地下鉄上大岡駅から、鎌倉街道を関内方向に向かって歩いて5分足らず。道路の右側、京急百貨店駐車場の出口の少し先、最戸橋交差点のちょっと手前。Tel.045-842-7108。





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