神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

観音手打蕎麦 中むら屋(横浜市弘明寺) 閉店

 弘明寺商店街のアーケードに面した店。ここに1日30食限定という「観音手打蕎麦」がある。商店街に面してガラス張りのそば打ち台を見せるなど、自信をうかがわせる構えである。
 注文したのは5種類ある観音手打蕎麦の中から観音天せいろ。出てきたそばは、やや緑色がかったような色合いが食欲をそそる。しこしことした歯ごたえのそばは、手打ならではの弾力とこしを楽しませてくれるが、それだけに時間が経つと水っぽくなる足の速いそばだから、出てきたらすばやく食べるべきだ。
 天ぷらは5品。ナス、ピーマンの野菜のほか、キス、メゴチ、エビという、いかにも江戸前な取り合わせがうれしい。ツユは辛口というほどではないが、甘味を抑えた味付けで、やや広口の器で出される。薬味は練りわさびとねぎというオーソドックスな組み合わせ。
 こざっぱりと清潔な店内は、4人がけの椅子席が4卓と、小上がりに6人席が3卓。近くの弘明寺観音の参拝帰りという風情の年配の女性客や、地元の常連らしき姿が入れ替わり立ち代わりという、いかにも下町らしいムードが漂う。味とは関係ないが、奥の洗い場で洗い物をする主人のランニングシャツの後ろ姿が見えたかと思うと、勘定を終えて外に出たら作務衣に身を包んだ主人が近くに出前の器と取りに出ていたりと、主人自らこまめに立ち働く姿が、なんともよい感じの店であった。
 取材:2002年7月。(当時)観音せいろ700円、観音ざる800円、観音とろろせいろ1,100円、観音天せいろ1,300円、観音天ざる1,400円。普通のもりは500円、天せいろ1,100円。営業時間は聞きそこなったが、定休日はいちおう水曜日とのこと。Tel.045-731-6711。京急弘明寺駅から弘明寺観音の前の坂を下って3分くらい。商店街の逆の端にある市営地下鉄弘明寺駅からだと5〜6分くらいか。

2005年4月追記
 掲示板に、2004年に閉店したとの情報が寄せられました。行ってみたら、カット屋になってました。合掌。





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