神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)
| ドライブ中に偶然見つけた店。田園地帯の中、小じゃれた民家風の建物は、看板がなければ蕎麦屋と気づく人は多くないだろう。 うどんはまったく扱っていない。種類は豊富なメニューの中から、4人連れで入ったこともあり、せいろ天盛、さらしな天盛、そばとろ(とろろそば)、ひな鳥南ばんを注文する。 そばは、非常に洗練された細打ちで、あまり噛まずに喉越しを楽しむといった食べ方を好む人には最適。逆にいえばやや柔らか目といえる。特に、更科は写真のとおり透き通っているようなそばで、見た目どおりまったく雑味のない、そばの芯の部分だけを使ったもの。ただ、個人的な好みでは、癖がなさ過ぎ。ソバの実の全体が持っている風味が好きなので、普通のせいろに使っているそば粉のほうが好みであった。なんか否定的な言い方に聞こえるかもしれないが、せいろ天盛はうまかったのだ。 ツユはだしの効いた辛口、濃い目。どっぷり浸けて食べるような食べ方にはもちろん不向き。そばの味を殺さないためには、半分も浸けないくらいがちょうどよい。ちなみに天ツユと共用である。天盛の天ぷらは、大きめのエビ、柔らかなイカ、シイタケ、シシトウ。薬味はネギ、ワサビ、大根おろしという、天せいろ基本の3種類だったが、例によって蕎麦湯にしか使わない主義なので、個人的にはあまりこだわらない。 そばとろもうまかった。きめ細かにすられた大和芋は、きめ細かなそばとの相性もよい。あらかじめツユとミックスされて出てくるところに、味へのこだわりを感じる。また、蕎麦湯のために、そばとろを注文した客には別に蕎麦猪口を用意するといった気配りも嬉しいところだ。その蕎麦湯だが、とろりとしっかり濃いものがたっぷりと出てきて、蕎麦湯好きにはたまらない。 さて、温かいそばはどうか。結論から言うと、やはりやわらかめのそばなので、あまり温かいツユには向いていないように感じた。ツユの味はよいのだが、このそばで温かいツユに合わせるなら、一回り太く打つなどの工夫が必要かもしれない。まぁ、これは温冷食べ比べたから感じただけかもしれないが。 全般の印象としては、メニューの構成(変わりそばなど)も含めて鎌倉一茶庵のイメージを髣髴させる。聞いたわけではないから断言できないが、何らかのつながりはあるのかもしれない。 取材:2002年9月(当時)せいろ650円、ざる750円、さらしな900円、そばとろ850円、せいろ天盛1,300円、さらしな天盛1,500円、三色1,200円、ゆず切り1,000円、鴨せいろ1,400円、ひな鳥南ばん(温)850円、鴨南ばん1,400円。平日は11:30〜16:00と17:30〜19:30、土曜と休日は11:30〜19:30の通し営業。定休日は水曜(祝日の場合は翌日)。Tel.0468-78-6206。葉山と横須賀中心部を結ぶ県道27号・横須賀葉山線を、葉山から行く場合は湘南国際村入り口交差点を過ぎて700〜800mほど行った右手に看板があり、その角から細い道を入って杉山神社の裏手。横須賀方面からだと、上山口小学校入り口の信号のちょっと先。最寄りICは横浜横須賀道路の横須賀IC。バスだとよくわからないが、横須賀線の衣笠駅や京急の安浦、横須賀中央駅のほうから、湘南国際村方面に出ているバスがあれば、それを上山口小学校で下りてちょっと葉山方面に歩く感じ(地図上では)。
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