中部(静岡県を含む東海・北陸)

大久保の茶屋支店(静岡県浜松市)

 本場戸隠仕込みのそばが食べられる店だ。戸隠で修行した主人がその店の「支店」を名乗ることを許されてついた店名とかで、直営ではなく、いわばのれん分けに近いのだろう。ま、これは味などとは無関係の話。
 浜松市街、中心から真北に延びる国道257号(バイパスではないほう)に面した店は、あまり間口が広くないこぢんまりとした構え。店内には囲炉裏を囲む椅子席が8席ほどと、2カ所の小上がりに各2卓(奥は見えなかったがたぶん)の座敷席。店の中心には手打ち場がしつらえられている。
 いちばん信州らしさが味わえそうな、山菜天ざるを注文する。天ぷらは7品で、朝鮮人参、コゴミ、フクロダケなどがどっさりと盛られる。本当は全部の名前がわかればよいのだが、知識不足を恥じ入るしかない。戸隠産の竹ざるに盛られたそばは、4つほどの束になっており、やや太めの切り口とともに野太いイメージを漂わせている。この太めで平打ちのそばは、すすりこんでも見た目同様しっかりした歯ごたえと濃いめの香りが印象的。辛口のツユに負けないだけの風味を持ったそばだ。薬味は伊豆産の本わさびのほか、小ネギと大根おろし。天ツユはそばツユとは別に用意され、こちらにも大根おろしが添えられる。そして締めのそば湯もそばと同じく、トロリと濃いのがたっぷりと出されるところが嬉しい。
 取材:2002年8月。(当時)ざる700円、山菜天ざる1,500円、海老天ざる1,500円、かけ600円(税込み)。11:00〜15:00と、昼のみの営業で、水曜・木曜定休。Tel.053-471-4410。浜松市幸5-6-15。浜松駅からのバスは、ターミナル15・16番乗り場から葵・追分方面行きの40・41・43・44・45・46・47番などで、あいホール青年女性センターで降り、さらに進行方向に1分ほど行った右手(幸町バス停との間)。クルマは東名浜松西ICが近いだろう。自衛隊基地の東のはずれが国道。





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