神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

風(ふう・鎌倉市雪ノ下) 閉店

 miumiuが鎌倉取材で見つけてきた店。若い夫婦でやっていて、概念にとらわれない「夢」のあるそばが印象的。
 徒歩でなくては通り過ぎてしまいそうな間口の小ぢんまりとしたたたずまいの店は、外から覗くと一見して蕎麦屋らしくない。店内にはアンティークというか古道具というか、不ぞろいな机やテーブルが並び、椅子も質素。そんな店内で、2人向かい合わせに座る書き物机の席に陣取る。これからそばを食べるというより、コーヒー、時間が遅ければバーにでもいるようなムードが独特だ。
 注文したのは、「期間限定」と貼り紙がしてあった「生かぼす辛味おろしそば」。そばはコシ、歯ごたえともしっかりした手打ちそばで、新そばということもあって立ち上るような香りが食欲をそそる。つゆは出汁のきいたマイルドな味付けで、薄いわけではないのにそばの味にかぶらない。辛味大根のおろしとねぎの薬味は小皿に、かぼすは小さな片口に別々に出され、好みでつゆに加えるというスタイル。まずはつゆだけで一口。このもりタイプがそばの味と香りを楽しむには一番。次に長野産という辛味大根を加えると、ぴりりとした辛味がそば自体のシャッキリ間を強調する感じ。さらにかぼすを絞って少し加えると、大根の辛味が中和されてマイルドな味わいに変化する。かぼすの汁は少量ずつ加えていくのがコツ。入れすぎるとそばの香りが飛んでしまう。
 miumiuが注文した「風のおそば」は、どんぶりのそばにささみ、ゴマ、キュウリ、揚げ玉、シソ、梅肉をトッピングしたぶっかけそば。複雑でさっぱりした味わいが楽しめる。店の名前を冠しているだけに、よく考えられた味のハーモニーであった。ほかにも「とろろ」はとろろのほかに卵黄、手つみ岩のり、レモンを組み合わせるなど、意欲を感じるメニュー構成だ。
 取材:2003年10月。(当時)もり600円、のりかけ700円、辛味おろし800円、冷とろろ1,000円、風のおそば1,000円、期間限定の生かぼすおろしそば900円、生かぼす辛味おろしそば1,000円(税込み)。つけ合わせなどの野菜は家庭菜園で無農薬栽培しているとかで、夜には季節の天ぷら600円というメニューもある。営業時間は11:30〜15:00、17:00〜21:00。火曜日は夜の営業はなく、定休日は水曜日。tel.0467-22-8649。鎌倉八幡宮の前から朝比奈方面に歩いて5分ほど。鎌倉駅からだと、大塔宮、ハイランド、金沢八景方面行き京急バスで5分ほどのバス停(鎌倉駅前から3つめ)大学前のすぐ前。鎌倉市雪ノ下3-3-26。店の並びにコインパーキングのtimesがある。





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