東京(都心から多摩地区まで)
| 昭和通りから一筋入ったところにある。最近一周年のお祝いの花輪などを見たので、たぶん2002年秋に開店した新しい店なのだろう。看板には「石臼挽きそば 鴨料理 鴨しゃぶうどんすき」とあるが、夜に店の前を通りかかったときにもとくに夜だから鴨料理と酒の店になるというイメージではない。夜も蕎麦屋な感じであった。リーフレットによれば、店名の紅葉川は、寛永年間(1624〜1643)に日本橋川と京橋川を結ぶ楓(もみじ)川という物流を中心とした入り堀があり、それが由来とのこと。 品書きによれば店の自慢は鴨せいろと鴨南蛮だというが、頼んだのは、3種類ある天せいろのいちばん安いやつ、「花」(花・月・紅葉の構成)。メニューを見る限り、違いは天ぷらの内容(と量)のようだ。出てきたそばはほんのり緑がかっていて、一つまみ口に運ぶと香りがいっぱいに広がるような感じ。薬味を入れないで食べるほうがよいと思う。店で石臼でそば粉を挽いているからなのか、新そばだからなのか。そば自体は更科系の白いやつかというとさにあらず。甘皮まで使うのがポリシーらしく、そば自体は骨太な印象である。それでいて、歯ごたえ、舌触り、喉越しのどれも、繊細な感じのするそばであった。料亭風のちょっと敷居の高い感じの店構えに恥じないそばだと思う。 「花」の天ぷらは、けっこう大き目のクルマエビ2本と、カボチャ、しし唐、ナス。メニューでは「野菜3種」となっているので季節で変わるのかもしれないが、そもそもこの3種は季節感とはあまり関係ない定番だと思う。腹の空き具合にもよるが、さらにホタテなどを加えた「雪」ほどたっぷりした天ぷらを昼から頼まなくてもいいかなというボリューム(そばを含めて)である。これは個人差。衣が薄めでさっくりと軽い感じに揚がっている。天つゆはそばつゆと共用である。そばつゆはマイルドなタイプ。出汁はきいているが香りが強すぎないタイプで、そばの風味も殺さないし、甘味辛味も個人的には好み。薬味はオーソドックスに練りわさびとねぎ、天ぷらには大根おろし。 お店の感じのよさもあり、これは時々通う店になりそう。 取材:2003年9月。(当時)天せいろは花1,200・月(花+ホタテ、本シメジ)1,500円・紅葉(月+アナゴ、イカ)1,900円。もりそば600円、ざるそば700円、とろろそば1,000円、辛味おろしそば800円、鴨せいろ1,200円、おかわり400円、温かいほうでは鴨南蛮1,400円など。大盛200円増(税別)。営業時間は平日が11:00〜21:00(15:00〜17:00は休憩)、休日は11:00〜15:00。定休日はなし。最寄り駅は都営地下鉄浅草線宝町駅で徒歩3分ほどだが、営団銀座線京橋駅からでも4〜5分くらい、東京駅からでも徒歩圏である。中央区京橋2−8−10丸茶ビル1階。Tel.03−5524−5266。
2003年10月更新。天せいろ(花)の写真をアップ。 2004年1月追記。 鴨せいろを試す。自慢というだけあって、鴨肉もたっぷり入っているし、汁の味も甘味と辛味とのバランスがよい。鴨は蔵王地鴨というのを使っているらしい。鴨せいろの汁の蕎麦湯もなかなかいける。天せいろの値段構成がちょっと変わったようなので、上のデータも修正。 |
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