東京(都心から多摩地区まで)

大井更科(品川区大井)

 大井町駅前。そばのほか、日本酒や焼酎の品揃えも自慢であることは、店の前に来ればすぐにわかる。
 さて、注文したのは季節物らしき桜海老かき揚天ざるである。レギュラーメニューには載っていないが、店の貼り紙を見てこれに決めた。桜海老のかき揚、好きなんです。季節メニューや変わりそばなど、意欲を感じさせてくれる。しかし……。
 出てきたそばはちょっと柔らかめ。弾力はあるがもう少ししゃっきりした感じが好み。茹で時間長いかも。切り方は結構ばらついていて、ここまで手打ち(というか手切り)を強調しなくてもよさそうなものだが。出汁の風味が強めのツユ、味はともかく量が少ない。こういう風に書くといかにもどっぷりとつけて食べているみたいで恥ずかしいのだが、決してそんなことはないのである。同じ時間に店内にいたほかの客も何人かツユを足してもらっていたから、やはり少ないんじゃないでしょうか。特に天ツユ共用となればなおのこと。
 さて、ここで大変残念なことを書かなくてはいけない。桜海老のかき揚である。中のほうは水っぽくて、全体にふしゃふしゃじゃないですか。油もちゃんときってないし。かき揚って、もっとかりっとした食感が大事だと思うし、桜海老ともなればなおのこと。期待が大きかっただけに、はっきり言って落胆した。
 取材:2004年6月。(当時)桜海老天ざる(かき揚そば、季節商品)1,400円、盛り合わせ天ざる1,500円、車海老天ざる1,600円、もり600円、田舎700円、温かいほうでは、品川蕎麦1,100円など。営業時間は、月曜日〜金曜日が11:00〜14:30と17:00〜21:00、土曜日が11:00〜14:00。定休日は日曜・祝日。Tel.03-3774-0002。JR京浜東北線大井町駅から歩いて3分ほど。東急大井町線大井町駅からだと5分くらいか。品川区大井1-24-5。 お店のHP

 2004年10月追記
 再訪した。とくに期待もしていなかったのだが、いくらなんでも初回のそばが実力とは信じがたいという思いもあった。そしたら、見違えるようなそばが出てきたのである。同じ店、同じ職人の仕事とは思えないほどに。
 注文したのは、秋のきのこ天ざる(1,400円)。前回同様、季節メニューである。まず、そばが違う。コシもしっかりして、シャッキリとしたそば。ツユはあまり変わらず、出汁の香りが強めなタイプ。しかし、今回は前回よりも量が多めで、足りないというほどではなかった。蕎麦湯を楽しむにはもう少しほしいけど。
 天ぷらもカラッとまではいかないが、少なくとも水っぽいとか衣がベシャッとしているようなことはなく、これなら納得。しかも、種類と量にはちょっとびっくり。エリンギ、シイタケ、シメジ、エノキ、ハナビラ茸、マイタケ。ツユが足りなくなるはずだ。
 連れが頼んだ三色そばもうまそうだった。並みそばと手臼挽き十割、韃靼そばの3種類。二色だと、十割と韃靼のどちらかを選ぶことになる。十割のほうは、季節の変わりそばになったりもするかもしれない。
 今回のレベルで安定していれば、文句はないのだが。……謎だ。

 写真は、上がぜんぜんダメだった桜海老天ざる、下が秋のきのこ天ざる。





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