東京(都心から多摩地区まで)

権正(ごんしょう・品川区大井) 2010年2月27日閉店

 東急大井町駅の高架下、歩道から半地下状態の立地はちょっと目立ちにくいが、一度食べたら忘れることはないだろう。「手打」の看板がそこはかとなく自己主張。
 2日続きで冷たいのと温かいのを食べる。いろいろと天もりがそろっているところが嬉しい。また、天種だけもメニューに載っているので、たとえばそばを胡麻切りや季節の変わりそば、あるいは生粉打ちにしたいときなどは組み合わせてバリエーションが組み立てられるのは親切。まず注文したのは穴子天もり。中細の黒っぽい、いかにも挽きぐるみのそばは、非常に密度感がありコシが強い。また、盛りがたっぷりとしている点も好感が持てる。ツユは濃辛口。そばを3分の1も浸ければじゅうぶんという感じだ。
 天ぷらは半分ずつに切った1本分の穴子にインゲンが1。からりと揚がった天ぷらも軽くて食べ飽きない。ツユがそばと共用なので、ちょっと天ぷらには辛口すぎる気が。塩なんぞあるとさらに評価が上がるところ。
 薬味は、ねぎと大根おろし。大根おろしの下にはスダチ、かな。このスダチを天ぷらに絞って食べるとうまい。そういうコンセプト?なお、てんぷら以外のそばには卸したてのわさびがつくようである。
 さて、温かいほうは、かき揚天ぷらそばを注文。もりで感じたとおり、茹で負けないしっかりしたそばは温かいそばでもシコシコ感を失わないのがよいところ。天ぷらは海苔を浮かべた上に載ってくる。芝海老のかき揚げ。このかき揚げが芸術的に見事。衣はまるで線香花火の火花のように細かい華が咲いており、衣の中にはそばも混じっているようだ。ツユも出汁のきいたコクのある味で、もり汁の濃厚な感じとはまた違ったよさがある。
 どうやら布恒更科で修行された方らしい。そういえばそば自体もそうだが、メニュー構成が似ているところもある。
 取材:2004年10月。(当時)穴子天もり1,300円、ごぼう天もり1,200円、かき揚天もり1,500円、はぜ天もり1,600円、かき天もり1,800円、舞茸しめじ天もり1,500円、もり800円、ざる900円、御前そば900円、生粉打ち1,000円。かきやきのこは季節物らしい。また、本文にも書いたが、季節の変わりそばなども。温かいそばは、かき揚げ天ぷらそば1,500円など、基本的に冷たいそばに準じている。営業時間は11:30〜15:00、17:00〜20:00。定休日は日・祝日。Tel.03-3776-8580。品川区大井1-1-6。東急大井町線・JR京浜東北線・りんかい線の大井町駅から1分足らず。京浜東北線は、一番品川寄りに乗り、東急乗り換え口方面へ。





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