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五反田 昭月庵(品川区西五反田) 閉店

昭月庵
 最近はそばも高級品のような風潮があり、うまいそばを食べようとするとそれなりの出費を強いられることが多い。が、極上でなくとも「まともな」そばをリーズナブルに食べさせてくれる店は多くないのである。ところがこの昭月庵は、まさしく普段通うにふさわしい「中の上」あたりのポジションにある蕎麦屋といえる。
 注文したのは、秋の季節もの「小海老と帆立のさざれ天蕎麦」(冷)。いわゆるぶっかけ系なのだが、値段の割にはしっかりしたボリュームで、蕎麦も弾力があってしっかりと打たれている。この細打ちの並蕎麦は、ひじょうに上質だと思う。この店の値段を考えると、大サービスとも言えるそばだ。
 ツユは出汁のよく効いた辛口。しかし、蕎麦との相性がよく、そばの甘味がよく感じられる味だ。海苔とともにちりばめられる天ぷらは、小柱のような帆立、芝海老に、にんじんと三つ葉、かき揚げにするとえてしてもっさりとするところを、ばらばらに揚げることでからっとした仕上がりになっている。メニューに天種が豊富なところから察するに、天ぷらに対するこだわりはかなりのものだという気がする(ところが……という話は下に追記)。次回はぜひ、生粉打ちと単品の天種の組み合わせを試してみたい。
 取材:2004年11月。(当時)小海老と帆立のさざれ天蕎麦(秋限定)1,050円、もり500円、手打ちせいろ600円、生粉打ちせいろ700円。どのメニューも+100円でそばが手打になる。天種も充実していて、メゴチ450円、小柱かき揚げ750円など。営業時間は11:00〜15:00と17:30〜21:30(土曜は昼のみ)。定休日は日曜日。Tel.03-3491-0204。品川区西五反田2-29-10。五反田駅から桜田通りを下り、山手通を右に曲がってすぐ。お店のHP

 2004年11月追記。2回通って、生粉打ちせいろ(700円)としらすかき揚げ(530円)、手打ちの海老天せいろ(1,150円)を試した。生粉打ちは極太。噛み締めるとそばの味と香りが広がる感じ。シラスのかき揚げは中までからからに揚がって香ばしい。天せいろの天ぷらは、エビ2尾と、カボチャ、ピーマン、大葉。単品の天ぷらとの組み合わせだと天ツユは別(味も違う)なのだが、天せいろはそばと共用でそばつゆで天ぷらを食べる。
 疑問なのは、日によって対応が違うことで、生粉打ちとかき揚げのときは注文が通ったのに、手打ちせいろと穴子天ぷらを注文したら断られた。時間はどちらも昼時。こういうところが一貫していないのは困る。しかもメニューに明記していないで注文後に断るのは気分悪い。2回目までは高く評価していたが、3回目で大きく評価を下げた。ま、昼時は避けたほうがよい店なのだろう。





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