神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

豊後(横浜市金沢区富岡)

 蕎麦屋というのは、ある程度見た目でも判断がつくところがあるのだが、失敗してはずれくじを引くこともある。この店がまさにそれ。
 以前からシーパラの帰りなどに前を通りかかって、古民家風のたたずまいにそそられるところがあった。しかも、豊後、である。九州では鹿児島、宮崎がソバの生産量では多いほうで、大分は九州で5番目(1999年、古くてごめんなさい)である。そばどころというわけでもないのにあえて地名をつけているところにも、天邪鬼な興味がわいた。あれ、これも思い込みで、豊後って、近くにある古刹・長昌寺ゆかりの柳下豊後守(小田原北条氏の家臣。16世紀)にちなんだのかな。
 注文したのは天ざる。出てくるまでのイメージとしては、ちょっとごわっとした太目の田舎そば。が、まったく予想に反して、なまっちろい細い、機械打ちのそばであった。コシとかいう感じではない、柔らかめのするするっとしたそば。もちろん、こういうのを好む人もいるだろうから、悪いと断じる気はないが、当方の勝手な思い込みとのギャップが大きすぎた(そして、好みとも)。ツユは、やや辛口で、苦味が残る。天ツユ共用。薬味はオーソドックスにねぎと練りわさび。意外(?)にも蕎麦湯が出てきたが、やっぱりさらっと透明だった。
 天ぷらはちゃんとしたもの。さすが箸袋に「日本そば 天ぷら」と書いてあるだけのことはある。しし唐、ナス、カボチャ、シイタケ、そしてエビ2本。頼んだのが天丼なら、ノープロブレムである。
 なんというか、ドライブインのそば、と言ったら言いすぎでしょうか。
 取材:2004年9月。(当時)天ざる1,350円、ざる550円、豊後(三味)900円、冷やしたぬき700円、とろろ800円。ほとんどがそばとうどんが選べる。営業時間は不明で、定休日は月曜。Tel.045-773-9574。横浜市金沢区富岡東4-3-51。





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