中部(静岡県を含む東海・北陸)
| この店の主人は、現代を代表するそば職人の一人だという。いつかは行ってみたいものだという夢がやっとかなった。 店に着いたのは開店10分前の11:20。しかし、開店と同時にほとんどの席が埋まってしまうくらいの人気店。帰りには待合室もいっぱいになるくらい。冬の平日でこれだから、週末はどれほどの人が集まるんだろう。 そばは細打ちと太打ちの「田舎」の2種類。注文をとるときにどちらにするか聞いてくれる。温かいそばでも選択可能。さらに、冷たいそばの場合には両方相盛りにした「二色」も選べる。で、上天ぷら付そばの二色を注文。連れは温かい鴨なんばんを細打ちで。 さて、何を置いてもまずはそば、それも田舎そばから語らなくては。極太。自分がこれまでに食べたそばの記憶をたどっても、これより太いそばは、山形県白鷹で食べた松野そばだけである。そしてコシの強さも半端ではない。決してそばを食べるのが下手な方じゃないと自負しているのだが、なんと、すすりこむことができないのである(いや、1本だけならできるかも)。むしゃむしゃと噛んで口に含んでゆくしか方法がない。香り、甘味とも強く、「そば粉を食べた」という実感に浸ることができる。一方の細打ちは、まったく対照的なくらい繊細。香りもコシもあるのだが、するりとすすりこむ喉越しのよさも印象的。盛りもしっかりしたもので、ボリュームがある。 ツユは出汁のよくきいたさっぱり系で、やや辛口だが濃い口ではない。天ツユと共用。薬味にはわさび、大根おろし、浅葱っぽいネギ。卓上に置いてある七味がマイルドで、これはオリジナルブレンド? 蕎麦湯との相性もよい。 上天ぷらは、大振りのエビが2本と、しし唐、ナス、シイタケ、サツマイモ、ウド。しっかりからっと揚げてある。天ぷらのボリュームもたっぷり。 鴨なんばんも、肉もたっぷり入っており、ネギも甘く、かけ汁の上品な味わいもよい。そばは、温かいと、ちょっと柔らかく感じる。かけ汁に海老天を入れて「抜き」風にして食べてみたら、とってもおいしかった。鴨の出汁も出ているから、かも。 もともとは山形の古い庄屋の屋敷だったという建物自体も、見事な風格である。 取材:2005年3月。(当時)上天ぷら付そば(二色可)2,100円、天ぷら付二色そば1,470円(エビ1本)、おせいろ735円、田舎735円、二色そば735円、辛味大根そば840円、かけそば735円、鴨なんばん1,470円、天ぷらそば1,470円、上天ぷらそば2,100円。営業時間は11:30〜18:00。定休日は月曜日と第2・第4火曜日。Tel.055-998-0170。静岡県裾野市須山1737。東名高速裾野ICから7分。鉄道&バスなどで行くところでは、ないと思う。 |
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