神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

登茂吉(横浜市鶴見)

 住宅地の小ぢんまりとした構えの店。店の外から見える石臼が、自家製粉であることを主張する。小上がりを合わせて20席あまりの店内にも、栃木県馬頭産のソバの袋が積まれている。挽きたてのそば粉で打つそばは、外二、つまりそば粉10に対してつなぎ2の割合らしい。
 メニューはシンプルで、変わりそばなどのバリエーションや、見慣れない新作そばなどはなく、王道という感じ。もちろん、うどんはない。注文したのは、当然天せいろ。メニューには「特大車えびを使用しています」とある。
 出てきたそばは、緑色がかった細打ちで、切り口も角が立っており、見るからに期待が高まる。辛口だがまろやかな口当たりのツユにちょっとつけて口に含むとそばの香りが鼻に抜ける。食感も、ぴんとしたコシと歯ざわりが印象的。しかもこうした本格手打ちの店にしては、ボリュームもそこそこある。
 天ぷらはメニューに書いてあるとおり大振りの海老天がどーんと1本(真ん中で2つに切ってあるが)のほか、しし唐2、ナス1。天ツユは別に付いてくる。海老天もからっとしていて、大きいくせに水っぽくないのがいい。
 薬味は、本ワサビとネギ、てんぷら用に大根おろしとショウガ、と、これも王道。もうひとつ、濃い目の蕎麦湯もご馳走。もう少しツユが多ければ、もっと飲みたかった。
 天ぷらに関しては季節の野菜や、穴子のような近海モノが選べたら完璧、と思うが、とにかくそばらしいそばを食べたいというなら、まずは暖簾をくぐって間違いはないだろう。あと、土曜の昼下がり(13時過ぎ)って、いつでも20分くらい待たないと入れないんだろうか。
 取材:2005年4月。(当時)天せいろ1,700円、せいろ800円、冷やしたぬき900円、おろし950円、とろろ1,100円、鴨せいろ1,450円、からみ(辛味大根)10,00円。温かい方では、かけ800円、鴨なんばん1,700円、天ぷらそば1,700円など。営業時間は11:30〜15:00、17:00〜20:00。ただしそばがなくなると準備中か店じまい。定休日は木曜日。Tel.045-511-5364。横浜市鶴見区向井町1-36-1。京浜急行京急鶴見駅から歩いて10分くらい。JR鶴見駅からだとプラス2〜3分。第1京浜(国道15号)を越え、鶴見川を渡ってすぐのトヨタディーラーがある交差点を左に曲がり、ちょっと行った左側。道の向かい側に公園。





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