SAIKIDO


関西

じん六(京都市上賀茂)

 吟味された玄そばを石臼で自家製粉し、10割の生粉打ちに仕上げる。素材の良さが伝わってくるそばだ。
 天ぷらはメニューにないので、ざるとにしん煮を注文する。そばが出てくるまでの仕事といえば、丸ごとのわさびを鮫皮の卸ですりおろすこと。
 やがて出てきたそばは緑色がかったいかにも上質な感じ。細打ちで、生粉打ちにありがちなぼそぼそ感はまったくなく、適度な弾力とひだひだ感のある舌触り、喉越し、そして喉から鼻に抜ける香りがなんともよい。1本がちょっと短いところが「生粉打ちだからかな」と感じさせるが、ひじょうに洗練されたそばである。ツユは出汁の効いたやや辛口だがあまり濃くないタイプ。最後の蕎麦湯もめったにお目にかかれないくらいの濃度で、これだけでも代価を取れると思う。
 にしん煮の柔らかさも驚き。これは身欠きにしんじゃないのかな。とにかくほろほろと崩れてしまうくらい柔らかく、また、味付けもさっぱりしていて、お酒を頼みたくなっちゃうなぁ。
 そば栽培農家と直接付き合って玄そばを入手しているというだけのことはある。ただ、高めに設定された価格相応かというところが難しい。ボリュームもそこそこあるので、単純に「1人前」での単価比較はできないとも思うけど。
 取材:2005年4月。(当時)ざるそば950円、おろしそば950円、山かけそば950円。田舎そばは100円増。温かいそばではにしんそば1,350円、かも汁そば1,550円など。営業時間は11:45〜17:00だが、15:00以降は売切れ次第閉店。「15:00までは必ず召し上がっていただけます」とのこと。定休日は月曜日と第4火曜日で、祝日の場合は翌日が休み。Tel.075-711-6494。京都市北区上賀茂桜井町67。最寄り駅は地下鉄北山駅。





トップへ
戻る
前へ
次へ



Copyright (C)戯雅(giga) 2002-2024 All Rights Reserved.