神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

あき津(鎌倉市大船) 閉店

 民芸風というのか古都っぽい演出というのか、静かなたたずまいの店である。店内は4人掛けのテーブル4卓のほか、囲炉裏(風)のテーブルを囲む8人席と座敷が6人掛け2卓。土曜日の昼時だが、並んだりというようなことはない。
 消費税を内税にしたせいなのかやたらと端数が細かいメニューから選んだのは、当然、天せいろ。「少々お時間をいただきますが」と言われた割には早く出てきた。2段重ねのせいろの上段に天ぷら、下段にそば。
 店内に掲げられた看板によれば、北海道十勝産、鹿追町で契約栽培したというそば粉で打たれたそばは、薄い平打ちで、切り方は不揃い。最大で4倍くらい太さに差がある。わざと? なぜ? ベージュ色のそばは香り、甘味といったそば本来の味がじわっと沁みるが、全体に水気が多くコシの弱い柔らかめのそばなので、食感は今一歩という印象。太さの差からくる不均質な茹で上がりにも一因があるのだろう。また、そばが同じだとしたら、個人的にはここで温かいそばを頼むことはないだろう。茹で負けしそうだし。
 普通のせいろとの価格差が税抜きで1100円の天ぷらは、大振りのエビ1本としし唐2本。よいエビを使っているのかもしれないが、それにしてもコストパフォーマンスは悪い。海老天も中がちょっと水っぽい。
 ツユは出汁の効いた辛口。天ツユと共用。薬味はわさび、ネギ、大根おろしとオーソドックスな組み合わせ。
 この店に行くのなら、天せいろ以外の冷たいそばがよいと思う。ちなみに笹を練りこんだ笹うどんというのも名物らしい。
 取材:2005年5月。(当時)天せいろ1,890円、せいろ735円、なめこおろしそば998円、なっとうそば1,050円。笹うどん893円。営業時間は11:30〜16:00。定休日は水曜。Tel.0467-44-2345。鎌倉市大船2-16-10。JR東海道線・横須賀線・根岸線大船駅から歩いて5分ほど。西友の近く。ちなみにバスで行ったが、大船のバスターミナルほどわかりにくい乗り場も珍しい。

2008.1追記 閉店したとの情報をいただきました。





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