神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

民芸手打そば 志な乃(横浜市関内)

 横浜の人気店のひとつ。「何はなくとも天せいろ」100店目はここである。
 東京にもいくつか系列店がある民芸そばどころの大本。しかし、オフィス街のビルの中、ひじょうにちんまりと目立たない立地で、知らなければ通り過ぎてしまいそう。
 メニューはけっこうレートが高めの設定。ざるそばと天ぷらを別に頼んでも値段は一緒なので、天ざるを注文。先にツユが運ばれてくる。天ツユは別。よしよし。続けてそば。黒っぽい挽きぐるみで、野太い田舎風のそば(いや、民芸風ですか)。ぶっとい平打ちだ。1本は短めなので、すすりこむというよりは摘み上げて口に運ぶという感じ。コシはしっかりとしていて、噛み締めるとソバの甘味と香りが口に広がる。ボリュームもけっこうあるほうだ。しおりには茨城県七会村と栃木県茂木町産の契約栽培の玄そばを石臼引きしているとある。だから「枕用にご自由にお持ちください」とそば殻が置いてあるんだ。
 天ぷらもバリエーション豊か。しし唐、ピーマン、カボチャ、ニンジン、ナス、そして大きめのエビ。さっくりと軽めに揚がっている。
 ツユは出汁が効いたあっさり目。透き通った感じのツユだ。薬味はそば用に練りわさび、大根おろし、ネギ、天ぷら用に大根おろしがつく。ツユは徳利にたっぷりと出されるので、締めくくりにたっぷりと蕎麦湯を楽しむことができる。
 最後になったが、民芸風を謳うだけに、益子焼の器が渋い。徳利やそば猪口はもちろん、湯桶も土瓶である。最初は高いかなと思ったが、ボリュームを加味すると順当なところ。田舎そば好きにはお奨めしたい。
 取材:2005年7月。(当時)天ざる1,800円、ざる1,050円、半もり950円、大もり1,350円、深山そば(生粉打ち)1,800円(混雑時以外)、天ぷら750円、野菜天ぷら550円。営業時間は11:30〜15:30と17:00〜20:30。定休日は日曜日と祝日。Tel.045-681-4055。横浜市中区住吉町3-31 信和ビル1階。最寄り駅は横浜市営地下鉄関内駅、次がJR根岸線関内駅で、2〜5分くらいか。みなとみらい線馬車道駅からも遠くない。





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