東京（都心から多摩地区まで）

冨美野（北区東十条）

　古い屋敷から持ってきたような柱や梁で演出した、民芸調というか田舎の豪商屋敷風というか、そういうインテリア。居酒屋でもあるのだが、1階は「そば部」、地下は「居酒屋部」として分離している。丼物や定食も扱っているので昼は大賑わいの店だ。野菜天せいろを注文。
　そばは太打ち。もっちりしたコシのあるそばで、喉越しのよいつるつるした食感だ。ボリュームもそこそこ多いほうか。ツユは出汁の風味が前に出た、マイルドな辛め薄口。天ツユと共用だ。
　天ぷらは、ナス、ピーマン、カボチャ、サツマイモ、ニラとピーマンとニンジンの掻き揚げ。「季節の野菜を揚げた」とメニューでいうほどの季節感はない。ただ、さっくりと揚がった食感はよい。ちなみに薬味は天ぷら用のおろしショウガと大根おろしがつくだけで、そばにはわさびもネギもつかない。
　茹で負けしなそうなしっかりしたそばだし、実は温かいそばのほうが本命なのかなと思ったりして。角煮入りの付けカレーそば（冬季限定）とか、なかなかそそるものがある。
　取材：2006年1月。（当時）野菜天せいろ900円、大海老天せいろ1,000円、せいろ470円（おかわり230円）、海苔かけ天ざるそば630円。暖かいほうでは大海老天ぷらそば1,000円など。営業時間は、11：30～22：30。定休日は月曜日と第3火曜日。Tel.03-3911-2344。北区東十条2-4-8。京浜東北線東十条駅南口を左に出て、坂を下った交差点に面している。