東京(都心から多摩地区まで)

奥社 なゝ樹(渋谷区恵比寿西)

 すでに掲載したなゝ樹の支店である。立地的には本店と背中合わせのような感じだが、いちばんの違いは夜のみの営業というところ。つまり、信州の郷土料理を肴に酒を飲み、締めにそばを食べるという店なのである。もちろん、そばだけのために出かけても文句は言われないだろうが、ちょっと場違いな感じかも。
 川えびとそばチップ、刺身盛り合わせ(馬刺し・鹿刺し・おこわ)など、山と川の幸は安くてうまい。刺身盛り合わせの「おこわ」というのは、馬の鬣の下の脂肪の部分で、店によっては「たてがみ」という名前でメニューに載せているものだ。普通の居酒屋でも馬刺しをおいているところはあるが、数が出ないから冷凍をスライスして出すので最初はルイベ状態のところが多い。でも、ここはさすがに信州料理専門だけに、最初からとろけるようなジビエが味わえる。
 野菜天ぷらは、山菜や野草を期待していたら見事に裏切られて普通の野菜。なすとかカボチャとかインゲン、アスパラなど。ワカサギにでもすればよかったか。
 そして締めにはそば。戸隠そばのざる。左の写真は、実は手前の一山を食べてしまったあと。太打ちのコシの強いそばは本店と同様。出汁の効いたマイルドなツユも、当然のことながら同じである。つるりとした食感のそばは、太さを意識させない喉越しのよさが魅力。
 東京で味わう信州戸隠、という期待を裏切らない店だ。
 取材:2006年5月。(当時)そばは本店に準じる内容。戸隠そば(ざる・かけ)550円。信州の郷土料理は、川えびとそばチップ500円、刺身盛り合わせ1,500円など。中身は「普通」の野菜天ぷら(写真下)は900円だが、かなりボリュームがある。一人ではもてあますはず。営業時間は17:00〜23:00。定休日は日曜と祝日。Tel.03‐3461‐7717。渋谷区恵比寿西1‐13‐6 第五ミトモビル3階。JR山手線と埼京線・湘南新宿ライン・東京メトロ日比谷線の恵比寿駅から歩いて3分くらい。





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