神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

汐汲坂 まつむら(横浜市元町) 2010年9月移転

2010年9月に閉店し、同10月より新店舗での営業となっています。新店についてはこちらをご覧ください。

 「おや、こんなところに」という蕎麦屋を見つける楽しみというのがある(少なくともワタクシには)。もしこのお店を偶然見つけたならば、自分の運と嗅覚を過信してしまうだろう。――残念ながら今回はすでに情報を得ていたのだが。ちなみに、「何はなくとも天せいろ」150軒目。
 間口も狭く、穴倉的(失礼)バーのようなロケーション。テーブル14席と、蕎麦屋としては小さい部類に入るだろう。しかし、それだけに隅々まで目が届いた接客なのがまず印象的。
 メニューを見ると、そばは並そばのほかに生粉打ちと日替わりの変わりそばの3種類を手打ちで出しているようだ。頼んだのは天せいろ。
 まずはサメ皮のおろしと生ワサビが出てきて、これをすりおろしながらそばを待つ。
 そばはちょっと太め(細打ちでないという程度だが)、縮れた感じ。ジワリとした弾力があってコシが強い。喉越しもよい。盛りはやや軽い。
 ツユも個性的。醤油の輪郭のはっきりした辛口で、これをそばと合わせると甘味が引き立ち、後味は辛口と感じない。天ツユは別に付く。こちらは出汁の効いたツユ。薬味には、そば用に大根おろしとネギ、天ぷら用に大根おろしとおろし生姜が添えられる。
 天ぷらは中くらいの海老天2本にししとう、大葉。衣は軽く、海老はしっとり系。
 平日の昼間は圧倒的に女性客が多いというのは、やはり元町という立地だからなのか。しかし、そばのために元町に行く人がいてもおかしくないだけの魅力ある蕎麦屋である。
 取材:2007年2月。(当時)天せいろ1,500円、上天せいろ2,000円、せいろ650円(わさび付800円)、生粉打ち850円、変わりそば(日替わり)750円、鴨汁せいろ900円、辛味大根そば1,050円。温かいそばは、かけ650円、花まき750円。営業時間は平日が11:30〜15:00と18:00〜21:00、土曜・日曜・祝日が11:30〜21:00。定休日はなし(元旦のみ)。Tel.045‐662‐4613。横浜市中区元町3‐141。みなとみらい線元町・中華街駅の出口から5分あまりだが、ホームからだと10分かかるか。JR根岸線石川町駅からも7分くらい。





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