神奈川(横浜を中心に三浦･湘南・箱根など)

そば・うどん　平沼　田中屋（横浜市西区平沼）

　以前、みなとみらい新高島の香露庵を紹介した記事中に出てきたきざみ鴨せいろの発祥がこちらの店だという。地名は平沼だが、相鉄の平沼橋よりも市営地下鉄の高島町のほうが近いだろう。あるいは京急の戸部か。京急の平沼駅は戦時中に廃止されてしまったらしい。
　最近は「裏横浜」というなんだかよくわからない呼び方をされている平沼商店街。「裏横浜カレーうどん」でメディアに取り上げられることが多いようだが、冒頭に書いたとおりきざみ鴨せいろも名物。そういうアイデアメニューに積極的に取り組んでいるようだ。創業は1920年12月と、80年以上、3代続く老舗だという。
　前置き長い。
　注文したのは、カレーうどんでもきざみ鴨せいろでもなく、江戸前天ざる。かき揚げ天せいろ、桜海老天せいろとあるのに、何でこれは天せいろじゃないんだろう。海苔、いらないんだけど。
　そば、天ぷらともにボリュームはしっかりしている。
　そばはかなり細い。機械打ちのようで、コシはさほどではないがつるつる感があって喉越しがよい。ちなみに、下のせいろにも海苔が載っている。ツユは出汁の効いた甘口濃いめ。
　天ぷらはバラエティも豊か。けっこう大きな海老、大きな穴子、キス、メゴチ、ししとう。天ツユや塩は付かない。
　蕎麦湯はとろ～り。茹で湯じゃなく蕎麦粉入れて作っているのかも。
　基本、町の蕎麦屋。でも、カレーうどんを注文した人にはツユが服に付かないように紙エプロンを用意するなど、細かい気配りが感じられる。
　でも、雑誌や新聞を置くのはやめましょう。昼時に長居する客を増やすだけで、待っているほうは不愉快だ。
　取材：2007年10月。（当時）江戸前天ざる1,450円、かき揚げ天せいろ980円、桜海老天せいろ1,200円、車海老天せいろ1,200円、天おろし1,200円、せいろ630円、ざる730円、きざみ鴨せいろ920円、鴨せいろ1,300円。温かいそばはかけ630円、玉子とじ770円、かき揚げ天ぷらそば980円など。大盛りは150円増し。丼とのセットも各種。ポークカレーうどん880円、チキンカレーうどん880円、竜田カレーうどん1,000円。営業時間は11：00～21：00。定休日は日曜日と祝日。Tel.045‐322‐0863。横浜市西区平沼1‐5‐21。交通は冒頭に書いたとおり。横浜市営地下鉄高島町駅2番出口から歩いて2～3分。