神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

そば香房 遊味(横浜市金沢区能見台) 2021年6月26日閉店

 小ぢんまりとしたこぎれいな蕎麦屋である。開店して2年ほどらしい、ということは「一茶庵代表 片倉英統のブログ」を見て知った。4人掛けのテーブル席が3席、2人掛けが1席というキャパシティ。夫婦で切り盛りしているようだが、目配りがきく広さということなのだろう。
 席に着くと、お茶と一緒に揚げ蕎麦が出される。かなりメニューは絞られており、品数は多くない。天ざるを注文。
 そばは、サンドベージュの細打ち。見るからに非常に丁寧な仕事ぶりが感じられる。しなやかなコシ、ジワリとした弾力、そして爽快な喉ごしの3拍子揃ったそばだ。そばは、新そばが入荷したようで、北海道の滝川・旭川・沼田産と貼り紙がしてあった。香り、甘味が口に広がる。盛りは軽め。
 ツユは一言でいえば辛口だが、とんがったところのない、バランスの取れた濃いめ。これは個人的には非常に好みの味。
 天ぷらは、海老と季節の野菜で、この日は中くらいの海老天1本に、冬瓜(?)、しし唐、カボチャ2、ナス。衣は軽く、食べ飽きない。天ツユは付かない。
 薬味には、本わさびとねぎ。このねぎの切り方がとても丁寧で、うまいそばを出す店は、ねぎもきれいに切っていることが多いように思う。締めの蕎麦湯もトロリと濃厚で、これがまたご馳走。
 レートは高めではあるが、値段以上のそばだと思う。これで天ぷらに塩が添えられて、天ざるでも広口の器ではなく普通の蕎麦猪口でツユが出されれば、申し分ない。横浜で今までに訪れた蕎麦屋の中では、トップレベルなのは間違いない。「何はなくとも天せいろ」の200軒目は思い出に残るそばであった。
 取材:2008年10月。(当時)天ざる1,360円、ざるそば710円、ごまだれそば920円、おろしそば1,100円、つけとろそば1,220円、鴨つくねせいろ1,365円。温かいそばは、かけそば785円、たぬきそば930円、きのこそば1,080円、湯葉とじそば1,080円、天ぷらそば1,435円、鴨つくねそば1,400円。平日の昼12食限定のざるそば小膳1,250円とかけそば小膳1,300円、土・日・祝日昼15食限定の野菜天ぷら小膳(ざるそば1,250円、かけそは1,300円)もある。営業時間は、平日と土曜日が11:30〜15:00と17:00〜20:00、日曜日と祝日が11:30〜15:00。ただし、そばがなくなり次第閉店。定休日は火曜日と第1・3水曜日。Tel.045‐780‐5881。横浜市金沢区能見台通21‐29。京急線能見台駅から西に延びる坂を登りきって平坦になってすぐ。歩いて3〜4分。





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