中部(静岡県を含む東海・北陸)
| 旧浜北市の古刹・庚申寺の門前町である宮口。同時に地酒「花の舞」の蔵元を中心とした町でもある。「そば処 身麻呂」は石畳の町並み整備がされた一角にある。 店内は、カウンター5席、テーブルは8人掛け、6人掛け、そして4人掛けが2卓。 メニューには、残念ながら天付がない。しかし、温泉玉子に絡めて食べるというのが紹介されていたので、もりそばと温泉たまご、連れがとろろそばを注文。 自家製粉で、北海道(幌加内)産と会津(猪苗代)産の蕎麦粉をブレンドしたという生粉打ちのそばは、細打ち。サンドベージュの色合いから期待するとおり、甘味が強い。ジワリとした弾力としなやかなコシ、喉越しも上々だ。盛りもけちけちしていないほう。 ツユは、出汁がきいたマイルドでやや薄口のもの。口当たりも甘め。 温泉玉子に絡めてという食べ方は初めてだ。ツユで食べるとさっぱりしたそばが、濃厚な味わいに変化する。それでいて、玉子の味にそばの味が埋没していないところがよい。 とろろも滑らかで、非常に滋味に富んだ味わい。こちらもとろろの中からそばの甘味がしっかりと感じられる。 さらに締めの蕎麦湯がトロトロでごちそう。木の匙が付いてくるのだが、「底にたまっているのでこれでかき混ぜてください」と。多少湯桶をゆすったくらいでは沈殿が混ざってくれないほどなのだ。とろろそばを注文した客には、蕎麦湯用にきちんと別のそば猪口を用意するという気配りも嬉しい。 ちなみに、娘たちは甘味のそばだんご入りぜんざい、みたらしのそばだんごがいたく気に入った様子。 合鴨のローストも柔らかで絶品であったが、天ぷらや、にしんそば用の身欠ニシン棒煮の単品がメニューにあれば――とないものねだりもしたくなる……とはいえ、洗練された味わい深いそばが楽しめる、今後も楽しみな蕎麦屋である。 取材:2010年8月。(当時)もりそば800円、とろろそば1,000円、おろしそば900円。温かいそばと冷がけそばは、山かけ1,000円、月見とろろそば1,200円、にしんそば1,200円、鴨南そば1,400円。大盛200円増。温泉たまご200円。合鴨ロースト600円。そばだんご1串100円、そばだんご入りぜんざい500円。営業時間は11:00〜14:00。夜は事前予約制で17:00〜20:00。定休日は火曜日(祝日の場合は翌日)と第1水曜日。Tel.053‐582‐2212。静岡県浜松市浜北区宮口619。天竜浜名湖鉄道(天浜線)宮口駅から歩いて5分。店の前に駐車スペース3台分。奥の庚申寺も駐車可。お店のHP。 |
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