中部(静岡県を含む東海・北陸)

くろ麦(静岡市駿河区)

 確か東京・青山が本山の一茶庵系、が「くろ麦」だったと記憶しているが、他店には行ったことがないので、初「くろ麦」が静岡。
 JR高架沿いの住宅地にある。店内は、テーブル席が4人掛け6卓、カウンターが3席、小上がりは4人掛け3卓。これが昼前に満席になる人気店だ。
 蕎麦粉は国内産を石臼挽きの自家製粉。常に変わりそばを数種類打っているようで、メニューには三色、五色といった文字が目立つ。三色の構成も変えられるようで、せいろ、田舎、さらしな、茶そば、季節の変わりそばなどの中から、せいろ・田舎・柚子切りの三色天盛にしてもらうことにした。
 そばは1枚ずつ順に供される。
 まず柚子切り。香りを楽しむものだから、そば自体の風味はない。さらしなベースのくきっとした硬質な歯触り、喉越しを楽しめる。
 続いてせいろ。これがこの店のベーシックなのだろう。色黒で細打ちのそばはコシがしゃっきりして、風味も喉越しもよく、そばの甘味も楽しめる。
 最後が田舎。これはかなり太打ち。密度も高く、がっしりとした高密度な歯ごたえと風味が味わえる。
 ツユははっきりした辛口。単体ではやや塩気が強く感じるが、そばを浸けるとマイルドに変化する。薬味は本わさびとねぎ、大根おろし。
 天ぷらは、1枚目の柚子切りを追っかけるように出てきた。10cmほどの海老天2本、一口大のイカ、しし唐。油が軽く、食べ飽きない。天ツユなどは付かない。
 王道ともいえるそば打ちの職人芸を楽しむ蕎麦屋といえる。ボリュームは軽いので、レートとしては高め。リピートするのであれば、せいろ天盛の大盛にしたい、というのが個人的な感想ではあります。
 取材:2010年12月。(当時)おせいろ天盛1,470円、三色天盛1,785円、五色天盛2,415円、おせいろ735円、ぶっかけ1,050円(7種の薬味)、そばとろ1,050円、かもせいろ1,575円、三色そば1,050円、五色そば1,680円。温かいそばは、かけそば735円、花巻893円、かも南ばん1,575円、天ぷらそば1,470円。大盛は210円増(変わりそばの大盛はない)。営業時間は平日が11:30〜15:00と17:00〜21:00、日曜祝日が11:30〜21:00だが、ここら辺の習慣なのか「準備中」の札が下がっていてもかまわず店内に押し入るのが当たり前のようで、待っていると馬鹿を見ることになるので注意。定休日は月曜日。Tel.054‐287‐8539。静岡市駿河区さつき町8‐15。最寄駅は静岡鉄道音羽町駅で、歩いて3分。JR静岡駅から歩くと10分ほど。駐車場は店の前と裏の各4台含め12台分。お店のHP





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