神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

蕎麦 竹清庵(横浜市鶴見)

 どっしりしたそばと、多彩な天種が楽しめる。
 鶴見駅の北、交通量の多い五差路の喧騒にはちょっと不似合な清楚なたたずまいの店。入り口横に打ち場が見える。外観同様に店内も清潔感あふれる小ぢんまりした作りで、4人掛けのテーブル2卓、6人掛けのテーブル1卓、計14席というキャパシティ。
 天せいろ(車海老+冷たいツユ)、つけ天せいろ(小海老+温かいツユ)というメニューのほかに、天ぷら単品が粒ぞろい。きす、めごち、すみいか、げそ、はぜ、穴子一本揚げ、しらうお、白海老……ということで、せいろと白海老の天ぷらを組み合わせることにした。
 そばはコシの立ったちょい太め。密度のあるそばは、弾力のある歯ごたえが印象的だ。やや緑がかった香りのよいそばで、噛めば甘味が、すすれば喉越しが楽しめる。
 ツユは辛濃口。表面が滑らかでツユが絡みにくいそばには良い組み合わせだ。バランスのよい濃いツユは蕎麦湯にしても極上の味だ。薬味には本わさび、大根おろし、さらしねぎ。
 天ぷらは予想を超えた豪華さ。白海老だけで30尾近いだろうか。他にかき揚げ状のムカゴ、カボチャ、しいたけ、ナス、銀杏2個。どれも軽い衣でからりと揚がっているので、いくら食べても食べ飽きることがない。しかも、天ツユ、抹茶塩、レモンのくし切りまで添えられるという、天ぷらに対する情熱すら感じる内容。思わず顔がほころぶ。
 ベース価格は高めのレートだが、内容を考えればかなりバリューと感じる。じっくり腰を据えて蕎麦屋酒を楽しみたい……そんな気にさせる蕎麦屋でもある。
 取材:2009年11月。(当時)せいろ800円、天せいろ(大車海老2+野菜)1,800円、小海老つけ天(温ツユ)1,400円、鴨せいろ1,580円、つけとろろ1,100円。大盛350円増。天ぷらは、白海老980円、すみいか950円、はぜ980円、穴子一本揚げ980円、しらうお980円など。営業時間は、11:45〜15:00(火曜〜日曜)と17:00〜20:30(金曜・土曜)。定休日は月曜日と第2・4火曜日(不定休あり)。Tel.045‐575‐0186。横浜市鶴見区豊岡町40‐21。JR京浜東北線鶴見駅西口から歩いて5分ほど。京急鶴見駅から歩くと10分あまり。なお、京急からの場合は鶴見神社の前の信号をいったん渡ってからJRのガードをくぐらないと遠回りになる。
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