神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)
| 京急線日ノ出町。海側に向かっては野毛の下町風情が展開するが、山側の表通りから奥まったエリアは住宅地。名前の通り坂の上、民家ベースに作られた、まさに隠れ家と表現するにふさわしい蕎麦屋である。 2010年2月、この地への移転を機に、夫婦二人で切り盛りする店に転換したのだという。 玄関を上がると、4人掛けのテーブル席が4卓、奥には掘りごたつ式の8人席がある。 天付メニューは、つけ天と天せいろの2種類。つけ天はツユを出汁でのばしてあり、天せいろのほうがツユが濃いという。それぞれに並と上があるが、海老天の大きさの違いとか。「並でもご満足いただけると思いますよ」という商売っ気のない(?)アドバイスにしたがって、天せいろの並をお願いする。 そばは、いかにも粗挽きな粉を使った感じで、表面に細かいひだが見える。基本細打ちなのだが、不揃いなところや端の切り落とし的な板状の部分も混じる。それがじゃまにならないところが魅力でもある。じわりとした弾力の歯ごたえ、そばの甘味を存分に堪能できる。 ツユは辛口濃い目。薬味には本わさび、ねぎ、辛味大根、海苔がつく。 天ぷらは、いわゆる蕎麦屋の天ぷら系。衣がばりっとしている。海老天は確かに大振り。他になす、ピーマン、かぼちゃ。自家栽培を始めたたらの芽が前日から獲れ始めたとのことで、おまけの天ぷらをいただいた。天ツユはつかないが、所望すれば「天ツユや塩もお出しします」とのこと。 ここで過ごす時間そのものがご馳走、そんな蕎麦屋である。 以前の店舗でも名物だったというかき南ばんも、季節には味わってみたい。 取材:2010年3月。(当時・2011年6月更新)天せいろ(並)1,400円・(上)1,900円、つけ天(並)1,400円・(上)1,900円、せいろ700円(大1,000円、辛味大根付50円増し)、ゆず切せいろ1000円(冬のみ)、つけとろろ1,200円、かもせいろ1,300円。温かいそばは天ぷら1,400円、かき南ばん(冬のみ)1,200円、かも南ばん1,300円、あられそば1,200円。営業時間は11:00〜20:00くらい。夜は要確認。定休日は今のところなし(不定)。Tel.045‐251‐0738。横浜市西区東ヶ丘23‐27。京急線日ノ出町駅から歩いて4分前後。なお、ケータイなどのナビサイトで電話番号検索すると、古いほうの店舗に案内されるので注意。
2010年3月追記 秋まで待てないので、中3日で再訪しました。もちろんかき南ばんを食べるため。 かき南ばんは、小ぶりだけど味の濃い牡蠣が8個くらい? ねぎは、炒めるのがデフォルトだそうだが、「焼いたのも入れるから食べてみて」とのこと。これが甘い! ちなみにねぎは深谷産しか使わないのだという。 具は、牡蠣、深谷ねぎ、かまぼこ、しいたけ、海苔。そばは手打ちで出してもらった(伸びやすいので、温かいそば用に機械打ちも用意してあるとのこと)。 他のお客さんが注文したそばがきのおこぼれも小皿でいただいた。季節ものの裏メニュー(仕入れが不安定なため)もあるそうで、そういう扉は通わないと開かないんだろうなぁ(^_^;)
2010年5月追記 あられそばとさくらそばを食べる。 いい小柱(アオヤギの貝柱)が入ったときだけという、春から初夏の季節メニューのあられそば。ツユに小柱の出汁が染み出して、なんともよい風味だ。根三つ葉、佐賀産の厚手の海苔、しいたけもよいアクセント。 さくらそばは、静岡県由比産の桜海老を練り込んで打ったそば。生桜海老もトッピングされ、薬味にはたっぷりの辛味大根。こちらもほのかな風味、滋味。 あられそば1,200円、さくらそば1,000円。
2010年12月追記 価格に改定があったようなので訂正。
2011年6月追記 天付メニューの価格が改定されたようなので訂正。 せいろと芝海老の天ぷら(800円)を単品で組み合わせて食べました(写真5番目)。殻つきの芝海老の天ぷらは、野趣のある味わい。 そろそろ、ここでゆっくりと蕎麦屋酒を楽しみたいなぁと思っています。
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