神奈川(横浜を中心に三浦･湘南・箱根など)

手打ち蕎麦笹屋（横浜市鶴見区鶴見中央）

京急鶴見駅の東口、つまりJR鶴見駅とは反対側のちょっと猥雑な一角にある。見た目もちょっと年季の入った大衆食堂っぽいたたずまいだ。老夫婦2人で切り盛りしているようだ。
　引き戸を開けて店内に入ると、電動石臼があり、打ち場も見える。店内の掲示によれば、今日の蕎麦粉は山形県大石田産の来迎寺在来種らしい。
　つけ天もあるが、注文したのは天せいろ。
　そばはサンドベージュの細打ち。見た目はすっきりしているが、実はかなり密度の濃いしっかりした歯触りのそばである。力強いと言えばよいのだろうか……。噛めばそばの甘味が広がり、香りが鼻に抜けるようなそばである。
　ツユは出汁の輪郭がくっきりした辛口。骨太なそばとの相性がよい。薬味は本わさびとねぎ。
　天ぷらはバリエーション豊富。しいたけ、ナス、サヤエンドウ、サツマイモ、レンコン、しし唐2、そして10cm大の身の太い海老天。天ツユ、大根おろしに加えて、食卓塩の小瓶に入った抹茶塩も付いてくる。こういう気取らない感じがよい。
　蕎麦湯もしっかりと濃いめ。本当に基本がしっかり頑固に守られている感じ。下町のそば職人の店である。
　久保田6種の飲み比べセットがあったり、日本酒の品ぞろえも充実。失礼な言い方だが、店構えからは思いもつかないこだわりの蕎麦屋なのかもしれない。
　取材：2011年3月。（当時）天せいろ1,650円、つけ天1,450円、特製つけ天1,900円、せいろ730円、つけ麺たぬき780円、おろしそば840円、つけとろろ890円、鴨せいろ1,150円。温かいそばは、かけそば730円、天ぷらそば1,450円。営業時間は平日が11：30～14：00と17：30～21：00、土曜日と祝日が11：30～16：00。売り切れ終いあり。定休日は日曜日と第3土曜日。Tel.045‐505‐1282。横浜市鶴見区鶴見中央4‐25‐8。京急線京急鶴見駅から歩いて2分くらい。JR京浜東北線鶴見駅からは5分くらい.。