神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)

信州戸隠流古式手打ち蕎麦 凛正庵 宗由(りんしょうあん そうゆ・横浜市中区=関内) 閉店

 2年前(2009年)の秋にできた比較的新しい蕎麦屋らしい。「志な乃」にも近いのだが、知らなければちょっとたどりつくのが難しいくらいの路地にある。
 しっとりとした白壁と板張りの店内は、4人卓をメインに30人ほどのキャパシティ。
 天婦羅のざるを注文。ざるでもかけでも天ぷらは別盛で出てくるそうだ。
 そばは「戸隠流」というだけに手編みのざるに5つの束を流れるように配するぼっち盛と呼ばれる盛り方。そばは密度のあるコシのピンと強いタイプで、しゃっきりした歯ごたえと喉越しが気持ちよい。ツユは濃い辛口。風味の強いそばなので、これくらい強いツユのほうがバランスがいい。薬味は本わさび、細かく刻んでさらしたねぎ、大根おろし。
 天ぷらはバラエティとボリュームがある。いんげん2、しし唐、レンコン、ナス、サツマイモ、カボチャ、キス、15cm大の海老天。さっくりと軽く揚がっていて、量があるのにそれを感じない。これで塩を添えてくれたらさらに嬉しい。また、訪問が残暑厳しい9月であったが、春先ならばフキノトウなどの山野草の天ぷらが味わえたりするのであろうか。そうであれば楽しみが増すというものだ。天ツユは付かない。
 漬物付。蕎麦湯はサラッとしていた。
 さて、メニューを見て気になっていたことがある。とろろ(やまかけ)を「真田」、おろしそばを「浅間山」、月見そばを「田毎」という呼び方。会計の時に「品川のほうに姉妹店などはありますか?」と尋ねたら、旗の台と大井町にある「百々亭」と恵比寿の「なゝ樹」で修業され、暖簾は「なゝ樹」から分けてもらったのだとか。道理で共通点があるわけだ。
 馬刺しなど信州の郷土料理も味わえる蕎麦屋は横浜では貴重な存在。ぜひとも夜に訪問してみたいものである。
 取材:2011年9月。(当時)天婦羅(ざる・かけ)1,500円、戸隠(ざる・かけ)630円、真田(とろろ、ざる・かけ)840円、鴨南蛮(ざる・かけ)1,300円、田毎(かけ)840円、浅間山(冷がけ)840円。ランチには天丼セットなども。営業時間は月曜〜金曜が11:00〜14:00と17:00〜23:00、土曜が11:30〜21:00。定休日は日曜と祝日だが、臨時の休業や営業もあるので、ぐるなびサイトやツイッターでチェックを。Tel.045‐263‐9118。横浜市中区住吉町2‐25東邦第2ビル1階。最寄駅は横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅で、3番出口から200mほど。JR根岸線関内駅南口からは300mほど。みなとみらい線日本大通り駅2番出口からは500mあまり。周辺道路にパーキングメーター、コインパーキング、公共駐車場(市営日本大通り地下駐車場)あり。





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