埼玉・千葉
| ナビで電話番号検索をかけると「磐梯屋」という蕎麦屋として表示された。ここ数年のうちにリニューアルして屋号も変えたのだろうか。こざっぱりして清潔感のある店構えである。 メニューにはそばの産地や生産者、品種、製粉の仕方までも明記されて、蕎麦粉へのこだわりの強さをうかがわせる。基本は北海道の音威子府のキタワセを使用するようだが、季節によって常陸秋そば(茨城)、会津(福島)、大野(福井)の蕎麦粉も使うようだ。 海老の大小などの内容でレギュラーの天付きメニューは3種類ほどあるのだが、冒頭に挟み込まれていた季節メニューにあった「華の天せいろ」と、1日10食限定と店頭のボードに書かれていた十割そばの組み合わせで注文する。 まず、先付けとして卯の花が出てきた。これもシンプルでうまい。コースメニューにも力を入れているのだろう。 「本日から新そばに変わりました」という言葉と主に出てきたそばは、緑色がかった色合いに期待が高まる。密度の高い、中太でコシのしっかりしたそばは、カシッとした歯触り、香りと甘味、そして喉越しのどれをとってもすばらしい。盛りもしっかりしているのも嬉しい。 ツユは濃い辛口で、そばの強い風味との相性もよい。薬味には粗めにおろしたわさびとねぎ、大根おろし。 天ぷらは、メニューにも明記されているとおり大き目(15cm大)の海老天のほかキスと野菜3品(大葉、舞茸、ナス、パプリカ……あれ、1品多い?)。軽くさくっと揚がっている。これも油へのこだわりがあるようで、国内産の綿実油を使っているという。塩と櫛切りのレモンが添えられる。 店内はテーブル席のほか、奥には個室や座敷もあってグループ利用にも対応しているようだ。 普通のそばは味わっていないが、このレベルの高さは十割そばに限ったことではないだろう。価格も抑え目で、当たり前のようにこんな蕎麦屋が存在していること自体が驚きだ。あえて欠点を挙げるとすれば、公共交通機関では便が悪いということだろうか。代わりに駐車場はたっぷりとした広さがあるのだが。 取材:2011年9月。(当時)華の天せいろ1,290円(季節もの、十割は250円増)、秋野菜の天せいろ1,050円(季節もの)、天然小さな海老5尾天せいろ1,050円、天然大きな海老2尾天せいろ1,350円、天然特大有頭海老と季節の野菜天せいろ1,650円、せいろ550円、十割そば(1日10食限定)800円、のりかけせいろ600円、つけとろろ(うずら入り)880円、鴨せいろ(埼玉産合鴨使用)1,350円、たぬき(ぶっかけ)650円、海老天おろし(ぶっかけ)1,200円。温かいそばは、かけ550円、花巻650円、月見・玉子とじ各700円、鴨南ばん1,350円、天ぷらは天せいろに準じる。大盛(1.5倍)150円増、おかわりせいろ(ツユなし)400円。セットメニューも各種。営業時間は11:00〜15:00と17:00〜21:00。定休日は水曜日(祝日の場合は営業)。Tel.048‐559‐1438。埼玉県行田市下須戸1095。秩父鉄道行田市駅から市内循環バスが出ているが、本数がかなり少ない。最寄りのバス停は東循環の藤間か。300mほど。時刻表。駐車場は20台弱。 |
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