北関東(群馬・栃木・茨城)
| 水戸市街の北東部、那珂川の河畔にある。ひたちなかに住む友人にもらった「茨城のそば屋さん 常陸秋そば50店」(茨城新聞社刊)によれば、1996年の開業と、比較的新しい。 店内は靴を脱いで上がるが、すべてが座敷という訳ではない。入ると「テーブル席とお座敷どちらがよろしいですか」と聞かれる。お一人様は基本、9人掛けの大テーブルのようだ。 メニューを開くと、最初のページに口上があり、常陸秋そばを中心とした玄ソバを1年分仕入れ、使う分だけ殻を取って石臼挽きし、一九で打つ「剥きたて、挽きたて、打ちたて、茹でたて」の"四たて"ということだ。そばには一九のほか数量限定で常陸秋そば100%の「こだわり」というのもあった。天付も海老の違いで並・上・特上とあるほか、つけ天や季節の天ぷら単品もある。今回は、天ざるの上を大盛にしてもらう。 そばは緑色をおびたサンドベージュに星が点々と入ったもの。このビジュアルだけでうまさは約束されたようなものだ。中細打ちで、ちょっと短い。喉越しで楽しむよりは、噛んで甘味、香りを楽しむタイプのそばで、コシもピンと硬質なタイプではなく、ジワリと弾力のある歯触り。ボリュームもしっかりしており、これなら大盛にしなくても東京などの有名店のような薄盛りになって出てくることはなかっただろう。 ツユは、奥にほのかな酸味を感じる濃い辛口。そばの甘味と一体になった時のバランスがよい。薬味には本わさび、ねぎ、大根おろし。 天ぷらは、海老天2本とキス、レンコン、ナス、それと菜の花ではないのだが軽い食感の青物。海老は、並だと大正海老、上は車海老と大正海老、特上は車海老という違い。天ツユと塩が添えられ、薬味は大根おろしとおろししょうが。衣が軽く揚がっている。 締めの蕎麦湯もとろりと濃厚。 季節のおすすめメニューもいろいろあり、地元の食材である奥久慈しゃもを使ったメニューなども魅力的。また、太打ちのそばもあるそうで、「温かいメニューと合わせて頂くのがおすすめです」となっていたのも気になる。前述の「こだわり」といい、ぜひ再訪したいと思わせる蕎麦屋である。訪れたのは土曜日の開店と同時であったが、11時から続々と客が来店するのも納得できた。また、市内には夜のみ営業の姉妹店「ミカワ屋」もある。 取材:2012年3月(当時)天ざる(並)1,300円・(上)1,650円・(特上)2,100円、ざる680円、こだわり1,000円、つけ天1,050円、奥久慈しゃもざる1,380円、鴨ざる1,380円、おろし980円、とろろ1,150円。温かいそばは、かけ680円、天ぷら1,380〜2,100円、奥久慈しゃも南1,380円、鴨南1,380円。天ぷら単品も豊富。営業時間は11:00〜21:30。定休日は水曜日(祝日の場合は翌日)。Tel.029‐233‐1311。茨城県水戸市松本町17‐75。JR常磐線水戸駅から茨城交通バスで15分の末広町3丁目がたぶん最寄りのバス停。距離は800mくらい。車は常磐道水戸北スマートICが便利。駐車場は50台分。お店のHP。
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