神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)
| 平塚の西のはずれ、海岸にほど近い住宅地にある。長屋風の店舗外観は目立たないし、かなり小ぢんまりした印象で、失礼ながらさほど期待できないかと思ったのだが大誤算。見事でハイクオリティなそばであった。 外観から想像するとおり、キャパシティは小さい。6名までのテーブル席と8席のカウンターの14名定員だ。しかし、照明を落とした店内は清楚で、しっとりと落ち着く空間になっている。 天付メニューは海老天と穴子天のざると、ごぼう天の冷がけがあるが、ワタクシのように優柔不断な人間のために(?)海老天も穴子天も盛られた「両天ざる」というのもある。……ではそれで…… 先にツユと薬味、塩が出てきた時点で期待指数は跳ね上がったのだが、次に天ぷらが出てきた時点で確信に変わる。というか、カウンターに陣取ればオープンキッチンで丸見えなのだが。2本の海老天は活け車海老(才巻海老)。元気なやつが厨房の水槽で泳いでいる。頭の部分は別に揚げてあり、頭から尻尾まで余さず味わうことができる。穴子は1本を2つに切ったもの。こちらも中はふっくら、軽い衣はさっくり。他にカボチャ、ナス、いんげん、舞茸の4品が付く。天ツユと塩が添えられる。 そして、そば。笊の山のほうに盛られたそばは、粗挽きで表面の襞や星がくっきりとしている細打ち。見た目だけでもうまいのはわかるが、甘味、鼻腔に抜ける香り、コシと喉越しのどれも高いレベルで融合している。難ありとすればボリュームが少なめなことくらいだろう。 ツユはきりっとした濃い辛口で、風味の強いそばとの相性もよい。単独で舐めれば奥に酸味を感じるが、そばにつけると風味を際立たせるような脇役に徹する。薬味は本わさび、ねぎ、大根おろし。締めの濃厚な蕎麦湯もごちそうだ。 器も趣味の良さを感じるし、箸置きに落花生を用いるという洒落っ気も楽しい(季節によるのかもしれないが)。 酒や肴といった蕎麦前も魅力的なものを置いているようだが、ここで22時過ぎまで過ごしたら帰宅困難なところが個人的には最大の欠点だ。悔しい。あ、昼から蕎麦屋酒すればいいのか。 取材:2012年10月。(当時)両天ざる蕎麦1,850円、穴子天ざる蕎麦1,400円、海老天ざる蕎麦1,500円、ざる蕎麦780円、鴨汁蕎麦1,050円、ごぼう天冷がけ蕎麦1,100円、辛みおろし蕎麦950円。温かいそばは、かけ蕎麦800円、穴子天かけ蕎麦1,400円、海老天かけ蕎麦1,500円、玉子とじ蕎麦900円など。営業時間は12:00〜15:00と17:30〜22:30(定休日前夜は22:00まで)。定休日は月曜日と火曜日(祝日の場合は営業)。Tel.0467‐85‐3011。茅ヶ崎市柳島海岸1‐10。JR東海道線茅ヶ崎駅から2km。茅ケ崎駅南口から37系統バスで11分の西浜高校前停留所(50m)か33系統バスで6分の団地中央停留所(400m)利用。駐車場は平日3台分、土曜・日曜・祝日は5台分。お店のHP(ブログ)。 |
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