東京(都心から多摩地区まで)

本手打ち越前そば そば席 御清水庵 清恵(おしょうずあん きよえ・中央区日本橋室町)

 以前、福井県のそばを紹介する「そばびと。見聞録」というサイトで記事を読んでから、行ってみたいと思っていた蕎麦屋。東京で本場と同じ越前おろしそばが味わえるという。
 神田川から隅田川にショートカットで流れる日本橋川のたもと、というか首都高の陰のビル1階、入口には緑に白く「手打 越前おろしそば 清恵」と染め抜いた看板ならぬ“看布”が掲げられる。小ざっぱりした清潔感漂う店内には、大小のテーブル席が並び、ぐるなびによれば52席で小上りもあるようだ(掘りごたつ式でないと苦手だが)。
 普通の天ざるというのもあるようだが、再訪ならばともかく、それではわざわざこちらに足を運んだ意味がない。天ぷらおろしそばを注文。件の記事の事を忘れて「ぶっかけで出てくるかな」と思ったら、皿に盛られたそばとツユは別々だった。これを自分でぶっかけるのがセオリーのようだが、「天ぷらもこちらのツユでお召し上がりください」と言われたので普通のもりと同じでつけ食べすることにした(いずれにしてツユに天ぷらを浸すことはしないのであるが)。
 そばは平打ちで力強い。かっちりとした歯触りと喉越しが特徴だ。盛りは軽め。
 越前おろしそばの特長である大根のしぼり汁の鮮烈な味はそばとの相性がよい。キリリと辛いが、辛すぎるということはなく、奥に甘味を感じる。薬味は正統派の鰹節とねぎ。味に膨らみを持たせてくれる。
 天ぷらは、10p大の海老天2本ときぬさや、ナス、カボチャ。しっとりとした衣だが油が軽く食べ飽きない。
 ちょっとベースの価格が高めなのは店賃分なのか。代わりと言ってはなんだが、お昼のメニューには150〜200円でおにぎりや小丼も用意されているのは親切。おろしそばだけでは消化が良すぎるという向きには最適で、隣の人が食べているのを見たら非常にコスパの良い感じのボリュームだった。
 若狭湾の海の幸や越前の郷土料理も多彩に用意されているようなので、機会があれば夜に再訪してみたい店だ。
 取材:2013年10月。(当時)天ぷらおろしそば1,200円、越前おろしそば800円、越前おろしとろろそば1,000円、天ぷらおろしとろろそば1,400円、天ざる1,200円、天とろろそば1,400円、ざるそば800円。温かいそばは、かけ800円、にしんそば1,100円、天ぷらそば1,400円。営業時間は11:00〜14:30(月〜金と日)と17:00〜22:00(月〜金)。定休日は土曜日と祝日。Tel.03-3231-1588。中央区日本橋室町1-8-2 日本橋末広ビル1階。東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅のB6出口から歩いて1分。日本橋駅(東西線・銀座線・都営浅草線)B12出口から3分ほど、JR東京駅日本橋口からでも10分足らず。





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