埼玉・千葉
| さいたま市役所に通じる道沿いなので知っていれば迷うことはないだろうが、看板も控えめで浦和駅から行くと死角になるのでわかりにくい店である。いったん通り過ぎてしまった。仲町公民館の向かいである。 名前からして上野の「藪」で修業されたのだろうと思うが、だからと言って同じものが出てくるわけでもないだろうし、そもそも上野のほうには行ったことがないからワタクシには意味がない。自宅兼店舗の隠れ家系、ということになるのか。 メニューは絞り込まれているようだが、ランチメニューもあるようだ。なにしろ、注文したら奪い取るようにメニューを下げられてしまったので中身をよく見ていない。何か都合の悪いことでも書いてあるのだろうか。 かろうじて「天せいろう」という文字は確認する時間があったので、これにする。季節ものとかがあったのかどうかはわからない。 客あしらいは雑だが、そばは上等。香り、甘味など風味のしっかりしたそばは、コシもしゃきっとしており喉越しもよい。盛りも少ないと目くじらを立てるほどではない。 ツユもきりっと辛口で、何かの味や香りが突出していない。そばが非常に引き立つタイプだ。 天ぷらは軽い衣で素材の味が楽しめる。しし唐、カボチャ、ナス、ホタテ貝柱、15p大の海老、そして稚鮎。特にほかの天ぷらの陰に隠れていた稚鮎を発見した時は嬉しかった。天ツユや塩が付かないのは残念。 薬味は大根おろしとねぎ。わさびは付かない。ほかに水菓子がデフォのようで、この日はオレンジ。 全体にレートは高いけれど、食べ物は値段に見合っていると思う。接客は町そばレベル。繰り返すが、メニューくらいじっくり見せてほしい。そば前や酒など、夜の楽しみのリサーチをしたい人だっているだろうし、いろいろとメニューを見ながら想像するのも楽しいものだと思うのだが、この店はそういう感覚は持ち合わせていないらしいのが残念。 もっとも、個人的には浦和の蕎麦屋に夜に行くことはないけれど。 取材:2013年4月。(当時)天せいろう1,750円、せいろう750円、なめこせいろう950円、鴨せいろう1,580円。温かいそばは、玉子とじ750円、おかめ1,060円、鴨南ばん1,580円、天ぷら1,750円。営業時間は月曜〜土曜が11:00〜21:00、日曜・祝日が11:30〜20:30。定休日は水曜日。Tel.048‐822‐6392。埼玉県さいたま市浦和区仲町2−9−11。JR宇都宮線・高崎線・京浜東北線・湘南新宿ライン浦和駅から歩いて8分ほど。 |
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