神奈川(横浜を中心に三浦・湘南・箱根など)
| 京急線日の出町の駅前、歩道に雁木のあるレトロムードな一角に、昭和の風情でたたずむ蕎麦屋。日ノ出町といえば、いつもなら「坂の上のそば屋 司」に行ってしまうのだが、散歩などで通りかかるたびに気になっていた1軒である。 外観同様、小ぢんまりした店内も大衆食堂の趣。4人掛けのテーブル席が4卓に、カウンター8席。出前用の近所に配布するメニューをラミネート加工した品書きの中から天もりを注文する。 そばは白く細い。製麺機で作ったそばにありがちなふにゃふにゃな食感ではなく、ちょっとコシがある。つるりとした喉越し。蕎麦粉7:うどん粉3、鶏卵使用とメニューに書いてある。風味は弱い。盛りはしっかり。 ツユは辛めではあるが神奈川らしくちょっと薄口。注文の時に「ツユは冷たいの? 温かいの?」と聞かれたので、ルーツっぽい仕様の天もりも食べられるようだ。冷たいほうで。薬味は練りワサビとねぎ。 天ぷらは、10cm大の海老天、ナス、シイタケ、カボチャ、オクラ。大根おろしとおろしショウガが付くが、天ツユは付かない。さっくりとした衣で、熟練の技を感じる。 町蕎麦屋の典型のようにも見えるが、メニューに「郷土そばの部」なるものがあり、卸しそば(近江名物)とか、温めそば(出雲名物)とか、あまり目にしないようなそばを扱うなど研究熱心な一面をのぞかせて面白い。すぐ近くでは再開発が進んでいるが、この店が呑み込まれてしまわないことを祈りたい。 取材:2014年3月。(当時)天もり950円、天ざる(海老2本)1,200円、もり500円、鴨もり1,000円、とろろそば(甲州名物)850円。温かいそばは、かけ500円、花まき600円、玉子とじ600円、天ぷら900円、天南ばん900円、鴨南ばん1,000円。営業時間は11:00〜21:30。定休日は日曜日。Tel.045‐231‐2901。横浜市中区日ノ出町1‐99。京急線日ノ出町駅から歩いて1分。 |
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