東京（都心から多摩地区まで）

虎ノ門大阪屋砂場（港区虎ノ門）

　ビルが立ち並ぶ虎ノ門のオフィス街の一角に、風雪を感じる趣のある木造の建物。明治5年（1872）創業の老舗であり、藪、更科と並ぶ3大潮流の本流。
　店内は決して広くはない。1階が4人テーブル主体の46席、2階が大テーブルの18席。この空間は下町風情すら漂う。
　天付きメニューがレギュラー、季節ものともに豊富なのがうれしい。目移りしながら選んだのは穴子せいろ。
　そばは極細打ち、ツユはきりっと辛口濃いめで、いかにも江戸前。一本揚げの穴子は肉厚でふっくらしており、衣も軽くさっくりしている。ほかにしし唐2本。天ツユ、塩などが付かないのは惜しい。ちびちびそばツユを舐めつつ天ぷらを味わう。
　開店直後からすぐに席が埋まる人気。そば前も充実しており、じっくり蕎麦屋酒を楽しむのも楽しそうだ。贅沢な時間と空間である。
　取材：2020年2月。（当時）穴子せいろ1890円、車海老天せいろ1910円、芝海老のかき揚げ天せいろ1650円、牛蒡の天せいろ1180円、あおりいかの点せいろ1750円、白海老天せいろ1790円、桜海老天せいろ1530円、もり740円、ごまだれ920円、鉄華味噌そば920円、おろしそば970円、とろろそば1110円、鴨せいろ1990円。温かいそばは、天ぷらそば1650円、上天ぷらそば2400円、天とじそば1900円、かき揚げそば1600円、かけ740円、花巻910円、にしんそば1270円、鴨南蛮1990円。営業時間は月・火11：00～20：00、水～金11：00～21：00、土11：00～14：30（そばがなくなり次第終了）。定休日は日曜日、第3土曜日、祝日。Tel.03－3501－9661。港区虎ノ門1－10－6。東京メトロ銀座線虎ノ門駅1番出口から歩いて5分。JR山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線・常磐線、東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線新橋駅、東京メトロ日比谷線・丸ノ内線・千代田線霞ヶ関駅からも8分ほど。お店のHP。